☆ふたご座の話☆

 ゼウスには、双子の子供がおりました。兄の星野・カストル・基と、弟の大羽・ポルックス・廣隆です。二人は多くの冒険をして、星野・カストル・基は拳闘の名手として、大羽・ポルックス・廣隆は乗馬の名手として名を広めました。
 また、二人の仲の良さには、目を見張るものがありました。二人が乗った船が大嵐に巻き込まれたとき、海神ポセイドンが二人の仲に感銘して嵐や大波を鎮めたと言われる程です。
 そんな二人はある日、イーダスとリュンケウスという、これまた双子を引き連れて、アルカディアに牛の群れを盗みに行きました。そして見事に、イーダスとリュンケウスに取り分を全て横取りされてしまいました。
 数々の冒険で名を馳せた二人がこんな目に遭って、黙っているはずがありません。二人は先回りして、まるごと奪い返すことにしました。
 それなのに。
 ああ、それなのに!
 星野・カストル・基はリュンケウスに見つかってしまい、弓矢で射たれてしまいました。大羽・ポルックス・廣隆は思わず駆け寄ります。
「基! 基!!」
「‥‥駄目じゃないか、ヒロ。‥‥お前まで、出てきちゃ‥‥」
「じゃが……!!」
「お前は‥‥俺程、闘いに慣れてないんだから‥‥はや、く‥‥‥‥」
「基? 基!?」
「‥‥‥‥」
「基ーーーーーーーーー!!!!」
 星野・カストル・基は、息を引き取ってしまいました。大羽・ポルックス・廣隆は、悲しみよりもリュンケウスに怒りを覚え、即行で敵をとりました。しかし、リュンケウスにもイーダスがいます。イーダスは大羽・ポルックス・廣隆めがけて大きな石を投げました。石は頭に命中し、大羽・ポルックス・廣隆はその場に倒れてしまいました。イーダスはすかさず、大羽・ポルックス・廣隆の息の根を止めにかかります。
 これで、基の所に行けるのお……

「んっ……」
 大羽・ポルックス・廣隆が目を覚ますとそこは、冥界。ではありませんでした。横にはイーダスが倒れています。
「わし、生きとるんか……。じゃがあの時、確かにわしは……!! ……わしだけ、神の血を引いてるとでもゆうんか……。わしは、死ねんのか……!」
 大羽・ポルックス・廣隆は運命の違いに気付き、ひどく嘆き悲しみました。
「親父!! 聞いとんじゃろ親父!! わしは、基のおらんこの世に未練はない! 基こそ生きるべきだったんじゃ! わしの命と引き換えでええ! 基を……基を! 生き返らせてくれ!!」
 それを聞いたゼウスは、その兄弟愛に感動して、二人を一日ごとに、オリンポスとあの世とで仲良く暮らせるようにして、二人の姿を友愛のしるしとして天空に掲げましたとさ。

ちゃんちゃん。

 

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