こうしとると、どがん風景でも映画みたいに綺麗に見える。きつか時でもそうすれば、少しは意味のあるごと思えるだけたい――

 まるで何にも意味なんて無いようにそう言った盤君は、酷くつまらなそうで、酷く寂しそうだった。
 何がそんなに不満なんだろう。何がそんなに盤君をつまらなくしてるんだろう。

 ねぇ、盤君。
 俺は意味なんてどうでも良いよ。

 ふと気付いたことがある。
 ヒヨコ隊を卒業してからというものの、盤君が誰かといるところを見たことがないのだ。盤君は外で会う度にひとりで、会う度に「なんでおっとや」なんて言う。ヒヨコ隊の時はみんなと一緒にいたのに、ゴールデンウィークからなんだか苛ついていて、それからもっぱらひとりでいる。
 何かあったんだろうか。すごく気になるけど、盤君が俺なんかに話してくれるとは到底思えないから、聞いてない。

 盤君が救助中に大怪我をした。集中治療室に運ばれて、顔を見ることも叶わない。
 ねぇ盤君、話がしたい。
 俺と盤君は考え方が対極だけど、盤君の考えがそれだけじゃないことくらい、俺わかってるよ。多分盤君は俺よりも、誰よりも、みんなを助けたいんだ。じゃなきゃ開発途中の降下器なんて怖くて使えないよ。
 ねぇ盤君、そうだろう。
 なんでいっつも何も言ってくれないの。


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