BGM

 

 中・高・大と、音楽は生活の一部だった。
 音楽を聴いて元気を出して、テンションを上げて、モチベーションを上げて。音楽に頼って、気を紛らわせて、音楽に救われてきた。
 おかげで、しんどい時期に聴いていた音楽を耳にすると、当時のしんどさが蘇ってくるようで。その音楽を聴かなくなり、しんどい時期に音楽に頼らなくなり、次第に、音楽は生活の一部ではなくなった。
 だけど、音楽はそこらじゅうに溢れている。
 日曜日、いつもより早く目覚めて、とりあえずTVをつけた。爽やかな音楽に乗せてニュースが始まり、爽やかなBGM のもと天気予報が読み上げられた。素晴らしい一日の始まりを予感させるその音楽は、切なく心に響いてきた。
 柔らかな日差しで目覚めてリビングに行くと、真田さんは決まってこのチャンネルをつけていた。もう、大分前のことだ。
 真田さんがいない。
 寂しさが押し寄せてきた。

 

(おわり)

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