ロボと心と愛のカタチ 機救編前編 3
少し進んだところで、嶋本は気付いた。
「しー」
口の前に人差し指を立て、静かにするよう注意する。
しんと静まり返ったところで、嶋本は「やっぱり」と言った。
「ポッポポッポ聴こえる」
「は?」
皆がポカンとする中、嶋本は一人走り出した。他の隊員達も慌てて続く。
そして嶋本は、一番奥にある部屋の扉を開けた。
そしてその場で「もう大丈夫やで!」と言って、手を前に出した。
そこへ、小さな女の子が飛び込んできた。
嶋本は女の子を抱え上げ、聞いた。
「歌って待っとったんか。偉いなぁ」
「うん!」
そこへ他の隊員達が到着した。高嶺は要救助者の諸確認を取ると、まだ部屋の中にいた真田に声をかけた。真田にも異常はないらしい。
嶋本は二人の話を気にしつつも、女の子と会話を続けた。
「ポッポポッポ聴こえたけど、ハトポッポとはちゃうかったな? 何歌うとったん?」
すると、女の子は元気に答えた。
「ギロッポン! 一緒に歌っててん!」
「一緒に?」
「うん! なあ、おっちゃん!」
女の子は真田に話をふった。真田は至極真面目な顔でうなずいた。そして、女の子の「せえの!」の掛け声で、二人で歌い始めた。
ポーッポー ポッポポポポポ ポッポポポッポー
ポポポポポポ ポポポポポポ ポーッポッポ
「っぷ」
嶋本はひとつ噴き出すと、抱えたままだった女の子を下ろした。そして腹を抱えて笑い出した。嶋本が盛大に笑っていると、堪えていた他の隊員達も声をあげて笑い出した。
皆の反応に気を良くした女の子はなおも歌い続けるので、真田も一緒に歌い続けた。
すると、それまではほとんど反応を見せなかった佐々木までが「ぷ」と噴き出した。それを見逃さなかった嶋本は、笑いを止められないまま佐々木にからんだ。
「こて、小鉄! 小鉄! 真田さん見てみ、真田さん! めっちゃシュール!」
嶋本はわざわざわかっていることを伝えた。すると佐々木は「ぷふっ」っと先ほどより多めに噴き出した。
そして皆で笑うだけ笑って、ようやく巡視船へと移動した。移動する間も笑いは絶えなかった。
「ギロッポンは、お嬢ちゃんが歌おうって誘ったん?」
「せや! あのおっちゃんな、なんかおもんない歌しか知らんかってん!」
「ああ、泣かーなーいで、ってやつか」
「そうそう! なんでこんな時にそんなおもんない歌やねん! って。やからな、楽しなる歌教えたった!」
「あっはっは! それはええアイディアや! お嬢ちゃん、最高やなー」
「やろー?」
「ほんなら次は何教えたろ?」
「次ー? んー、さなだむし?」
「ぶっ。お嬢ちゃん、さなだむしとか知っとん?」
「うん! おとんが歌うねん!」
「おっしゃ! じゃあそのさなだむし、真田さんに教えたって!」
「おっしゃ!」
