なリス 16
チマもそう思ってくれたら良いのにな。そしたらきっと、毎日がもっと楽しくなる――
ねーよ!!
そもそも、お前来てから俺は気疲れ増えただけやねんて!
おーおーおー。今日もジンジンは無邪気にやってるわ。コロコロの何がそんなにおもろいねん。
……って、ぇえー!?
え、ちょ、え、それ、使い方間違うてへん??
「ストップ! ジンジンストップ!!」
「ん?」
「それ中入って走るもんちゃん?? え、上乗って走るもんなん??」
「……。ああ、飛び乗ったら動いたから。なかなか楽しいぞ。やってみるか?」
「いや、遠慮しとく」
「なぜだ? 楽しいぞ」
絶対お断りや。だって傍から見ててただのアホの子やもん。
「やからやん。ジンジンがおもいっきり楽しんだらええねん」
「ありがとう。やさしいんだな」
出た! ジンジンスマイル! 俺はもう負けへんで!!
「そんなことないよ」
するとジンジンはひとつ微笑んで、また走り出した。
……ぅーわー。アホの子丸出し。
あれやな。うん。ジンジンはただ、まっすぐなだけなんやろうな。
……そらあかんなぁ。俺のひねくれが強調されるだけやん。
まぁええか。ここんやつ等に愛想振りまきたいわけでもないし。
あーあ。俺は何しようかな。
お!
あれはオーバ!
オーバ!
ガッシャン!
かまえオーバ!
ガッシャン!
オーバ!
ガッシャン!
俺様を楽しませてみろ!
ガッシャン!
オーバ!
ガッシャン!
こっち来い!
ガッシャン!
お。こっち見た。
あ、なんや嬉しそうな表情しよってからに。俺様に呼ばれたのがそんなに嬉しいか。
げへへ。
おーおー、来る来る。
って、そっちかーい! ジンジンかい!!
ちょ! おい! 俺! オーバ! 俺俺!! 俺をかまえ!
チッ。しゃあないなぁ。
「ジンジン!」
「ん?」
チェンジや!
「やっぱ、俺もやってみてええ??」
「もちろんだ!」
ぅわー、嬉しそうな顔。
……。ジンジンは案外ちょろいねんけどな。やっぱニンゲンは難しいわ。
えーっと。さっき飛び乗るつってたよな。……ああ、二階から飛び移ればええんか。
ていっ!
っと。おっとっと。
案外バランス取るん難しいな。
いや、でも一回バランス取れたらちょろいもんやな。
どや! オーバ!!
って、シマモトタイチョーいつの間に?
まあ、俺のがギャラリー集められてるってことやな! フフン! とくとこの華麗なコロコロさばきを……!!
「って、ジンジン!」
「ん?」
「いきなり中入んなや。ペース乱れるやろ!」
というのは建前で、こいつペース速い。こけるかと思った。
「競争しよう」
「は?」
「先に転んだり降りたりした方が負けな」
「は?」
「よーい、テ!」
ぅお! はや! はや! ちょ!! ギリギリ! ギリギリ! いっぱいいっぱい!!
だがしかし! ここで負けるんは格好悪い。それでなくても俺今傍から見たらただのアホの子やのに。
負けへんで!!
※ ※ ※ ※ ※
ちょ、これいつ勝負つくん? 俺そろそろやばいねんけど。てかジンジン息一つ乱れてへんし、勝負決まってね?
でも自分から降りたないしな。
なんか、ええきっかけないかな。
『海難通報! 海難通報!』
お! この音は!!
って、ぅお! 危な! いきなり止まんなや!!
思わず降りてもたけど、すぐにジンジンも隣に来た。
この音が鳴ったら、みんな一斉に慌しくなる。多分、静かにしたらなかん時なんや。
ほら、オーバもシマモトタイチョーもどっか行ってもたし。
……勝負は図らずも流れたし。
あーあ。せっかくの暇つぶしがだいなしやわ。
毎日がもっと楽しくなる。
いつ来てくれるんかな、そんな日は。
