なリス 24
あれ?
俺、ジンジンに結構大切な事言われた気ぃすんねんけど。スキとかなんとか。……まあ、良いか。ジンジンはそれを話したかっただけや。うん。せやせや。
……って、なんか聴こえる気ぃするわ。下の部屋から。
……これは、あれや。ジョウキョウハアクが必要や。
「ジンジン?」
ジンジンの部屋の前で声をかける。布に遮られて姿は見えへん。
クルルックルルッ
クルルックルルッ
「ジンジン? また痛い??」
ジンジンがそんなやと、俺も痛い。声は出ぇへんけど。
「ジンジン?」
クルルックルルッ
返事がない。布を引っ張り出す。
ジンジンは、俺より大っきな体を、俺より小っさく丸めとる。
クルルックルルッ
失礼して上半身だけ中に入れる。
ペロリ。届く所を舐めた。
「っ。チマ……」
ジンジンは今気付いたようにこっちを見た。
「クルルッ」
「そんなに痛いん?」
「すまない……。クルルッ」
ペロリ。
ペロリ。
「クルルッ」
ペロリ。
「クルルッ」
ペロリ。
……もどかしい。こん距離がもどかしい。入ったれ。
よし。これで心臓に届く。
「チマ……。クルルッ」
ペロリ。
「……クルルッ」
ペロリ。
「……」
「ジンジンがそんなんなんは、嫌や」
前みたいに、話してるうちに止まれればいい。
「……クルルッ」
「声は出ぇへんけど、俺もこの辺痛なる」
「クルルッ。すまない」
「謝らんでいいから。俺は、ジンジンがいつも通りやったら平気やから」
「うん……。クルルックルルッ」
「苦しい?」
「苦しい。クルルッ」
「痛い?」
「痛い。クルルッ」
「なんで?」
「わからない。クルルッ」
困った。今回は全然止まらへん。
「クルルッ。……ただ、」
「ただ?」
「ただ、好きなんだ」
「……知っとる」
「クルルッ」
そう言えば、セツナイから痛いゆうとったな……。
「まだセツナイん?」
「うん……。クルルッ」
「なんで?」
「……好きだから」
俺を好きやから、セツナイ。苦しい。それはつまり、
「俺のせい?」
聞くと、ジンジンは一瞬驚いたような顔になった。
「違う。違うよ……。クルルッ。俺が好きになったから……。クルルッ」
「ほんなら、」
ほんなら、どう言うこっちゃ。俺んせいじゃないけど、好きんなったせいやろ。
……嫌いに、なったらええんか。
「ほんなら、嫌いになる? 俺んこと」
うわ、自分で言っといてなんやけど、しょんぼりやわ。
「嫌いになんてなれないよ」
ジンジンは、寂しそうな笑顔で言った。ほんで、聞いてきた。
「チマは? チマは、俺のこと嫌い?」
「嫌いじゃないで」
「じゃあ、どう思う?」
「あー……」
考えた事なかったわ。んー、難しいな。
「ジンジンが、そんなんなんは嫌や。いつも通りでいて欲しい。ジンジンがそんなんやと、俺もこの辺が痛い。変な気持ちになる」
「変な気持ち?」
「うん。寂しいような、悲しいような、痛いような……」
「それは……」
「なんなんやろ? わっからへんわー」
「それは多分、俺のと同じだ」
ジンジンは、なんともいえない様子で言った。
ん? つまりどういうこと?
ジンジンと一緒?? えーっと、どういう流れでこういう話になったんやったっけ?
あ、
「セツナイ?」
「そう」
んん??
俺のこの辺が痛いのんは、セツナイから?
セツナイって何??
――恋しいということ。
つまり……??
「え、俺、ジンジンこと好きなん!?」
「さあ」
ジンジンはなんや、楽しそうに笑とる。けど、俺はそれどころやない。だって、そんなん、
「知らんかった! え、俺、ジンジンこと好きなん!?」
「あはは」
「ちょお、笑い事ちゃうで!」
一大事や!!
